04
四月
この月に消えることば
引く
重力と執着が軽くなる。
この月の暮らし
大重量輸送の黄金月、別れの月
四月に残された記録
01ひとこと記録
石が軽い。今月のうちに橋の材を全部運んでしまう。四月は建てる月だ。
02欠け月生活記録
四月十一日。屋根に縄をかけた。瓦まで浮くからだ。毎年やっているのに、毎年おかしくて笑ってしまう。夕方、隣の息子が出ていった。止めたい気持ちが、どうしても重くならなかった。四月はそういう月だ。雨も落ちてこない。この月の雨は「引く」の仕事だと聞いた。何もかもが、上へ行きたがっている。
03観測記録
観測地:南の石切場から街道まで朔からの日数:十日渋りの度合い:渋り観測事項:常時六頭を要する石材の牽引が、二頭で可能。降雨は本月に入って観測されず。暮らしへの影響:普請の工程が二十日ぶん前倒し。人手が余り、日雇いの賃金が下がっている。白暦院への具申:余剰人員の月明け以降の受け皿について、領主と協議されたい。
四月の記録を書く
この月の住人として、見たことを一行から書けます。
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