06
六月
この月に消えることば
眠る
誰も眠れず、夢が路上に漏れる。
この月の暮らし
種が一斉に芽吹き、夢が路上に漏れる
六月に残された記録
01ひとこと記録
眠れないので夜通し畑にいる。種が一晩で芽を出すのを、みんなで黙って見ている。
02欠け月生活記録
六月十六日。十六日、眠っていない。もう昼と夜の区別がつかない。明け方の広場に、誰かの夢が薄く溜まっていた。誰の夢かは、だいたい見当がつく。それを言わないのが六月の礼儀だ。店は四交代にした。順番に休むふりをする。休めはしないが、休むふりは要る。あと十四日で、初眠の夜が来る。それだけを数えている。
03観測記録
観測地:町の広場朔からの日数:六日渋りの度合い:半止まり観測事項:明け方、地表付近に夢の滞留を確認。触れた者に害はない。日が高くなると消散する。暮らしへの影響:全業種で四交代を実施。事故の届け出は例年並み。白暦院への具申:七月朔の初眠の夜に備え、火の始末と家畜の係留を各戸へ徹底されたい。
六月の記録を書く
この月の住人として、見たことを一行から書けます。
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