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十月

この月に消えることば

映す

鏡像・記録・真偽の検証が働かない。

この月の暮らし

検証不能、詐欺の月

十月に残された記録

01ひとこと記録

鏡が何も映さない。髭は手の感触だけで剃っている。だいたい失敗する。

02欠け月生活記録

十月十二日。帳面を見返しても、書いたことが本当かどうか確かめようがない。買い物のたびに、売り手と買い手が同じ紙へ印を押すことにした。それでも、十月に受け取った証文は月明けにもう一度見る。絵描きの弟子が、今月は筆を持たないと言っていた。描いても写らないのだそうだ。何も映さない月に、それでも何かを残そうとする人がいるのは、少し救われる。

03観測記録

観測地:市場・両替所朔からの日数:五日渋りの度合い:半止まり観測事項:真贋を検める道具がいずれも作動せず。贋の月鑑札が公然と並んでいるのを確認。暮らしへの影響:白暦院は本月中の鑑札発行を停止。詐欺の届け出は前月比で四倍。白暦院への具申:本月に作成された記録は、月明けに全件を再検証のうえ確定されたい。

十月の記録を書く

この月の住人として、見たことを一行から書けます。

記録を書く