05

五月

この月に消えることば

積もる

記憶・貯蓄・雪などが積もらない。

この月の暮らし

契約・裁判・入学を避ける月

五月に残された記録

01ひとこと記録

今日のことは全部その場で書く。書かないと、明日にはもう無い。

02欠け月生活記録

五月九日。この帳面を読み返して、自分の字だと分かるのに、書いた日のことが思い出せない。五月にした約束は無効だと決まっている。だから誰も約束をしない。かわりに、誰もが少しやさしい。どうせ残らないと分かっていると、人は怒らなくなるらしい。忘れたいことがある人は、五月に湯治へ行く。私は今年、行かないことにした。

03観測記録

観測地:白暦院・帳場朔からの日数:二十七日渋りの度合い:止まり観測事項:本月に交わされた契約のうち、当事者双方が内容を再現できたものは皆無。利息の計上も不能。暮らしへの影響:入学と裁判はすべて六月へ送致済み。書き直しの請求が月明けに集中する見込み。白暦院への具申:五月分の証書は例年どおり無効として扱い、六月一日以降に再締結されたい。

五月の記録を書く

この月の住人として、見たことを一行から書けます。

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